オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリン精油──その香りと成分、効果の違いを横浜市青葉区のメディカルアロマスクール「風ら花」がわかりやすく解説。
初心者さんも選び方に迷わないよう、柑橘系精油の特徴をやさしくご紹介していきます。
アロマ初心者さんからよくいただくご質問に、こんなものがあります。
「オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンは、どう違うの?」
このご質問には、実は2つの意味が含まれています。
精油の元となる植物の違い
精油成分による効果の違い
前回の記事では、主に「植物の違い」についてご紹介しました。
▶【徹底比較】オレンジ・スィート/オレンジ・ビター/マンダリンの精油植物の違い
今回は「香りと成分による違い」に焦点を当て、それぞれの精油の特徴と効果について詳しくお伝えしていきます。
精油の作用について
精油が私たちに与える作用には、大きく分けて2つあります。
香りを嗅ぐことによる芳香作用
皮膚に塗布することによる成分的な薬理作用
芳香作用は、香りの好みや体質によって感じ方に個人差があり、絶対的なものではありません。
また、これら2つのアプローチは単独ではなく、総合的に働きかけるため、精油の影響の仕方には一人ひとり違いがあります。
この点をふまえたうえで、香りと成分による違いを見ていきましょう。
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンの香りの作用
それでは、オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリン、それぞれの香りの特徴と、香りがもたらす心身への作用について、順に見ていきましょう。
オレンジ・スィートの香りの作用
オレンジ・スィートは、爽やかさと甘さが絶妙に調和した、親しみやすいオレンジの香りです。
果物のネーブルオレンジをむいたときの香りを思い浮かべると、イメージしやすいでしょう。
3つの中ではもっとも癖が少なく、万人受けしやすい香りだと感じます。
【香りの作用】
優しく癒される香りで、リラックスを促してくれます。
オレンジ・ビターの香りの作用
オレンジ・ビターは、オレンジ・スィートより甘さが控えめで、ほのかな苦みを感じる大人っぽい香りです。
3つの中では、最も「深み」を感じる香りだと思います。
【香りの作用】
不安を落ち着かせ、心を穏やかにするリラックス作用があります。
マンダリンの香りの作用
マンダリンは、日本の「みかん」に近い、どこか懐かしさを感じさせる香りです。
オレンジ・スィートよりも少しだけ苦みがあり、少しクセを感じる人もいるかもしれません。
私自身は、この香りをかぐと、こたつでみかんを食べた子どもの頃を思い出して、心がほっと温かくなります。
【香りの作用】
緊張をやさしくほぐし、安心感とリラックスをもたらしてくれます。
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンの主成分と作用
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリン、これら3種類の精油は、実は主成分が同じです。
共通して「モノテルペン炭化水素類」という成分を90%以上含んでおり、このグループは揮発性が高いので、香り持続時間は短いので、すぐに香りが無くなってしまいます。
また、空気清浄作用やリフレッシュ効果をもたらすことで知られています。
例えば、ルームスプレーにして空間に噴霧すれば、空気をリフレッシュする効果が期待できるでしょう。
また、植物油に希釈して皮膚に塗布すれば、むくみの緩和、デトックス促進、便秘や二日酔いのサポートにも役立ちます。
ただし、細かい違いもあります。
マンダリン精油には、特有成分である「アントラニル酸ジメチル」が含まれており、これには「強力な抗不安作用」が認められています。
そのため、特に不安感が強いときには、マンダリンを選ぶのがおすすめです。
とはいえ、精油選びでは「香りの好み」もとても大切。
効果効能だけでなく、実際に香りを嗅いでみて、心地よいと感じるものを選んでくださいね。
禁忌・注意事項
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンはいずれも、ミカン科の果皮を圧搾して得られる精油です。
そのため共通して、皮膚に対する刺激性があります。
皮膚に使用する際は、必ず植物油などで適切に希釈してから使いましょう。
入浴に使う場合は、精油はお水やお湯には溶けませんので、乳化剤などを使用してしっかり乳化させてから使用することをおすすめいたします。
とくに、肌が敏感な方・お子さま・高齢の方が皮膚に使用する際は、慎重に扱い、できればパッチテストを行ってから使うと安心です。
また、オレンジ・ビターには「光毒性」という禁忌がございます。
塗布後に直射日光を浴びると、肌に炎症や色素沈着などのトラブルが起こるおそれがあります。
このため、オレンジ・ビター精油を使用した後は、少なくとも4〜5時間は直射日光を避けるようにしましょう。
まとめ|あなたに合ったオレンジ系精油を選ぶために
精油を選ぶときは、実際に香りをかいで「好き」と感じるものを選ぶのが、いちばんのおすすめです。香りの好みには個人差があるため、直感的に心地よく感じるものが、今のあなたに必要な香りかもしれません。
とはいえ、香りを試すのが難しいときには、次のような選び方も参考になるかもしれません。
オレンジ・スィート
→ 甘く爽やかな香りで、もっともクセが少なく、万人に好まれる香り。はじめての1本としてもおすすめです。オレンジ・ビター
→ 甘さ控えめで少し大人っぽい香り。チョコレートもビター派という方や、落ち着いた印象を好む方に。
※皮膚塗布する際は光毒性にご注意ください。マンダリン
→ 日本の「みかん」に近い、どこか懐かしい香り。親しみやすく安心感があり、心を和ませてくれる精油。
不安感が強いときや緊張しやすい方にも、特におすすめです。
精油との出会いは、まるで“今のあなたに必要な何か”を教えてくれるような瞬間かもしれません。
香りがもたらす癒しの力を、ぜひ毎日の暮らしに取り入れてみてくださいね。
さらに深く知りたい方へ|植物そのものの違いもチェック
今回ご紹介したオレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンの精油。
実は、香りや成分だけでなく、植物そのものの違いを知ることで、より深い理解とつながりが生まれます。
「この香りは、どんな植物から生まれているのか?」
そんな疑問が湧いたら、ぜひこちらの記事もご覧ください👇
▶【徹底比較】オレンジ・スィート/オレンジ・ビター/マンダリンの精油植物の違い
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