オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリン精油の違いを徹底比較!
植物の特徴・香り・成分・効果を、横浜市青葉区のメディカルアロマスクール「風ら花」がわかりやすく解説します。
アロマ初心者さんも、本格的に学びたい方も、柑橘系精油の選び方をマスターできる必見ガイドです。
ミカン科の果皮から圧搾抽出した柑橘系の
精油は日本人にはなじみがあって、人気がある香りですね。
ミカン科の果皮の精油はたくさんの種類があります。
オレンジ・スィート、オレンジ―・ビター、マンダリン、ベルガモット
グレープフルーツ、レモン。
アロマ初心者さんから、よく頂く質問があります。
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンはどう違うの?
このご質問には2つの意味があります。
その元となる植物の違い
そして、精油成分による効果の違い。
精油成分や使い方に詳しい方でも
その元となる植物については意外とご存知なかったりしませんか?
植物の違い、精油成分による効能の違いその両方が分かると
精油を生かしきることができるようになります。
今回の記事では、オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリン──この3種類の植物の違いについて詳しくご紹介してまいります。
(※それぞれの精油成分や作用の違いについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。)
▶オレンジ・ビター、オレンジ・スィート、マンダリン精油の違い②
オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリンの植物の違い
ここからは、オレンジ・スィート、オレンジ・ビター、マンダリン、それぞれの植物の特徴を詳しく見ていきましょう。
精油の違いを深く理解するためには、まず原料となる植物の個性を知ることが大切です。
オレンジ・スィートの植物について
オレンジ・スイートの植物学名は「Citrus sinensis」。
植物学名とは、世界共通で植物を特定するために付けられた名前です。
これによって、どの地域でも同じ植物を指し示すことができます。
私たちが普段食べているバレンシアオレンジ、ネーブルオレンジ、ブラッドオレンジなどは、すべてオレンジ・スイートの仲間。
和名では「アマダイダイ(甘橙)」と呼ばれます。
オレンジ・スイートの木は、1年中葉が緑色の常緑樹。
オレンジ・ビターに比べると耐寒性は弱く、樹高もやや小さめです。
木質は硬く、トゲは少なめ。
果実も比較的小さく、果肉の味が甘く、袋に苦みがないため、「スイート(甘い)」という名前が付けられました。
原産地はインド・アッサム地方とされ、そこからヒマラヤを越え、中国の揚子江沿岸地域へ広まり、さらに16世紀初頭に中国からヨーロッパへと伝わりました。
現在では、地中海沿岸地域が主な栽培地として知られています。
日本では、静岡から九州、沖縄にかけて栽培が盛んです。
植物の特徴や歴史を知りながら精油を使うと、香りへの親しみや深みがぐっと増してきます。
寒さに少し繊細な木、小ぶりな実、優しい甘さ──そんな姿を思い描きながら使うと、オレンジ・スイートの精油がいっそう生き生きと感じられることでしょう。
人と同じで、植物も「理解される」と、より力を発揮してくれるのかもしれませんね。
人間も自分の性質とか特徴を理解されずに接せられるより、○○さんはこういうの好きだよね?とかこういうのが得意だよね?と理解された方が嬉しいですものね。
オレンジ・ビターの植物について
オレンジ・ビターの植物学名は「Citrus aurantium」。
オレンジ・ビターは、和名では「ダイダイ(橙)」と呼ばれます。
この木は、1年中、葉が緑色の常緑樹で、樹高は10mを超えることもあります。
木には長くて比較的鋭くないトゲがあり、枝や葉には芳香があります。
果実は非常に苦く、果肉も皮も酸味と苦みが強く、食用にはあまり適しません。
しかし、植物病害に対する抵抗力が高く、そのため、耐病性のない柑橘類の台木(接ぎ木用の木)として広く利用されています。
また、オレンジ・ビターの花からは高級精油「ネロリ」が、葉からは「プチグレン」という精油が採られます。
一つの植物から、果皮・花・葉といった部位ごとに、香りも働きも異なる精油が得られる──それがオレンジ・ビターの奥深い魅力です。
原産地はオレンジ・スイートと同じく、インド・アッサム地方。
そこから広がり、現在はギニア、南ヨーロッパ、ブラジル、西インド諸島などで広く栽培されています。
日本でも、伊豆諸島や和歌山県などで栽培されています。
植物の特徴や背景を知りながら精油に触れると、より深くそのエネルギーを感じることができます。
頑丈な木質と耐病性の強さ、苦味のある実──
そんな姿をイメージしながら使うと、オレンジ・ビターの精油がもつ「力強さ」や「しなやかな芯の強さ」が伝わってくるでしょう。
繊細な気質の方をしっかりと支えてくれるような存在──そんな印象も湧いてきます。
マンダリンの植物について
マンダリンの植物学名は「Citrus reticulate」
温州みかんやタンジェリンと同じグループに分類されます。
私たち日本人にとってなじみ深い、冬に食べる「みかん」もこのマンダリンの仲間です。
常緑樹であり、高さはおよそ1.5〜2.5mほどの低木。
木質は堅く、丈夫なトゲを持つ力強い木でもあります。
耐寒性には比較的優れていますが、霜には弱く、寒冷地では注意が必要です。
果実の特徴は果肉がはがれやすいく、欧米ではeasy peelers’やlose-skinned citrus’と呼ばれることも。
果実のサイズはスィートに比べると小さく、味は適当な酸味と芳醇なフレーバーが魅力です。
原産地はインドまたは中国とされ、そこから中近東を経て、地中海やアメリカへと広がっていきました。
主産地はかつて地中海地方や北アフリカが中心でしたが、近年では南アフリカやアルゼンチンなどでも広く栽培されるようになっています。
現在では、亜熱帯〜温帯、および地中海性気候の地域に幅広く分布しています。
小柄ながらも丈夫で柔軟。
どこか親しみやすく、頼れる存在──
クラスに一人はいた「小さいけれど頼りになる優しい子」のような、そんな印象がこの植物にはあります。
植物の姿を思い描きながら、マンダリンの精油を使ってみると、香りの奥にある性格やエネルギーがもっと身近に感じられるかもしれませんね。
まとめ
見やすく表にしてみました。
オレンジ・スィート | オレンジビター | マンダリン | |
学名 | Citrus sinensis | Citrus aurantium | Citrus reticulate |
和名 | アマダイダイ(甘橙) | ダイダイ(橙) | |
木の種類 | 常緑樹 | 常緑樹 | 常緑樹 |
木の性質 | ビターより耐寒性が低い | 病害に対して抵抗力あり | 耐寒性有、霜害を受けやすい |
樹高 | オレンジビターより小さい | 10m以上になる木も | 1.5~2.5mの低木 |
木質 | 硬い | 硬い | |
トゲ | 少ない | 長くて鋭くないトゲ | 頑丈なトゲ |
果実大きさ | 小さい | スィートより大きい | スィートより小さい |
果実味 | 甘い | 苦くて酸っぱい | 酸味と芳醇 |
原産 | インド・アッサム | インド・アッサム | インドまたは中国 |
現在の産地 | 地中海沿岸 | ギニア、南ヨーロッパ、ブラジル、西インド諸島 | 地中海地方、北アフリカ南アフリカ、アルゼンチン |
日本の産地 | 静岡から九州・沖縄 | 伊豆諸島や和歌山県 | |
その他 | 普段、食べている、オレンジはスィート・オレンジの種類 | 抵抗力のない他の柑橘系の接ぎ木用として使用されます | 冬に食べるミカンはマンダリンの分類 |
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※この記事では植物の違いを中心に解説しましたが、精油成分の違いや作用については別記事で詳しくご紹介しております。
▶オレンジ・ビター、オレンジ・スィート、マンダリン精油の違い②(成分と効果)
【参考図書】
・ナードジャパン会報誌 ケモタイプアロマテラピー 48号、71号
・NARDケモタイプ精油辞典
・NARD JAPAN アロマニュース
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