ゼラニウム精油は、甘さの中にほんのりグリーンを感じる香りと、心身をやさしく整える作用で人気の精油です。
その中でも「ゼラニウム・エジプト」と「ゼラニウム・ブルボン」は、よく使われる代表的な2種類。
どちらも学名は同じですが、産地が異なるため、香りや含まれる成分に違いがあります。
今回は、横浜市青葉区のメディカルアロマスクール「風ら花」が、この2つのゼラニウム精油の違いについて分かりやすくご紹介いたします。
学名は同じ、でも産地が違う
ゼラニウム・エジプトとゼラニウム・ブルボンは、いずれもPelargonium × asperumという同じ学名を持ち、同じ植物から抽出された精油です。
しかし、名前のとおり産地が異なります。
ゼラニウム・エジプト:主にエジプトで栽培・抽出される精油
ゼラニウム・ブルボン:レユニオン島(旧名:ブルボン島)やマダガスカル、コンゴなどが主な産地
産地が異なれば、育つ土壌や気候条件も異なりため、香りや成分構成にも違いが出てきます。
※ゼラニウム精油には他にも「チャイナ」「コルシカ」などの産地違いがありますが、この記事では特に流通量が多く使われやすい「エジプト」と「ブルボン」に絞って解説いたします。
共通する成分と作用
どちらのゼラニウムにも以下の3つの主要成分が含まれており、基本的な作用や使用目的はよく似ています。
主な成分:
モノテルペンアルコール類(シトロネロール、ゲラニオール、リナロール など)
エステル類
ケトン類
主な作用:
感染予防
お肌の弾力アップ
虫よけ(特に蚊)
リラックス、ストレス緩和
止血・消炎作用
違いを生む成分と香りの印象
「ゼラニウム・ブルボン」には、「ゼラニウム・エジプト」と比べてセスキテルペン炭化水素類が多く含まれています。
この違いが、香りの印象にも影響を与えています。
香りの比較:
ゼラニウム・ブルボン
フローラルな甘さが際立ち、少し刺激的。
華やかで個性的な印象。香りに強さがあり、主張してくる感じ。ゼラニウム・エジプト
丸みのあるやわらかさと、やさしさを感じる香り。
穏やかでバランスが良く、使いやすい印象。
私自身の感覚としては、ゼラニウム・エジプトを長年使用して、慣れていたせいか、ゼラニウム・ブルボンを開封直後は香りに個性があり、最初は少し香りが強すぎると違和感を覚えました。
でも、使い慣れてくるとその強さが、華やかさの魅力に変わっていきました。
逆に、ゼラニウム・ブルボンを使い慣れてからゼラニウム・エジプトを使うと、少し物足りなさを感じることもあったほどです。
どちらを選べばいい?
「香りの強さ」「個性の有無」「他の精油とのブレンドのしやすさ」など、選ぶ基準は人それぞれです。
以下のように感じる方が多いかもしれません:
ゼラニウム・エジプト:バランスが良く、ブレンドしやすい。
やさしい香りが好きな方に。ゼラニウム・ブルボン:フローラル感が強く、香りに存在感が欲しい方に。
精油は、あなたの感覚にしっくりくるものが“今の自分に合っている”サインです。
ぜひ、香りを実際に嗅いで、お気に入りの一本を見つけてくださいね。
まとめ
ゼラニウム・エジプトとゼラニウム・ブルボン。
どちらも素晴らしい精油であることには変わりませんが、香りや成分構成の違いを知ることで、より自分らしいアロマの取り入れ方が見えてくるはずです。
どちらを選んでも、ゼラニウム精油のもつ“心と肌をやさしく整える力”を、毎日の暮らしに活かしてみてくださいね。
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