横浜アロマスクール【風ら花】がお届けする、精油の深い魅力に迫るシリーズ。
今回は、深く鮮やかな紺碧色が印象的なカモマイル・ジャーマン精油に焦点を当ててご紹介します。
同じ「カモマイル」という名前をもちながら、ローマンがリンゴのように甘く親しみやすい香りを放つのに対し、ジャーマンはアニマル調の生臭さを帯びた、まったく異なる個性的な香りです。
その理由はローマン種とは全く異なる成分構成にあります。
今回の記事では、カモマイル・ジャーマンがもつ恩恵を最大限に引き出すための使い方、そしてその歴史や文化的背景まで、深く掘り下げてご紹介します。
精油プロフィール
学名: Matricaria recutita
科名: キク科
抽出部位: 花
抽出方法: 水蒸気蒸留法
主な産地:エジプト、スロベニア、フランス、ハンガリーなど
植物としての特徴
カモマイル・ジャーマンは、ヨーロッパやアジアが原産の一年草です。
カモマイル・ローマンとは異なり、茎がまっすぐ上に伸びるのが特徴で、可愛らしい白い花を咲かせます。
ハーブティーとして用いるとリンゴのような甘い香りを放ちますが、精油を抽出すると全く異なる香りになります。
乾燥に強く丈夫で、古くから薬草として重宝されてきました。
歴史や文化背景
カモマイルという植物自体は、紀元前4000年以上前のバビロニア時代から利用されていた記録が残っています。
古代エジプトでは「太陽のハーブ」として崇拝され、儀式や治療に用いられました。さらにギリシャやローマの時代には、消化器や炎症を整える薬草として広く使われ、人々の暮らしに寄り添ってきました。
ただし、この時代に用いられていた「カモマイル」が、現在でいうローマンなのかジャーマンなのかは明確ではありません。
植物の種類が明確に区別されるようになったのは、植物学が体系化された16〜17世紀以降のことです。
その後、カモマイル・ジャーマンは特にドイツにおいて薬用ハーブとして重視されてきた歴史があります。
ドイツの薬局には欠かせない存在であり、現在でもコミッションE(薬用植物の公式評価委員会)によって消化器系や炎症への効果が認められています。
香りの特徴
冒頭でもご案内したように、精油はアニマル調の生臭さを帯びた個性的な香りを持っています。
芳香成分類と主な作用
カモマイル・ジャーマン精油で特筆すべき成分は「カマズレン」というセスキテルペン炭化水素類の芳香分子です。
この成分が精油に紺碧色を与え、強力な抗炎症・抗アレルギー作用をもたらします。
セスキテルペン炭化水素類(カマズレン):抗炎症作用、抗アレルギー作用、かゆみの緩和
酸化物類:抗炎症作用、去痰作用
これらの成分によって、皮膚トラブルやアレルギー性皮膚炎の緩和に役立ちます。
NARDアロマスクール認定校の講師からのコメント
カモマイル・ジャーマンは香りが個性的なので、芳香を楽しむよりもカマズレンの作用を活かすために皮膚トラブルや皮膚のアレルギー症状へのケアとして使用することが多い精油です。
さらに、精油を抽出する際に花粉が微量混入する可能性があるため、ブタクサ花粉症の方は使用に注意が必要です。
近年キク科アレルギーの方は増えていますが、そうでなければ皮膚トラブルへの作用の信頼性は非常に高い精油です。
禁忌・注意事項
キク科アレルギーのある方は使用を避けるか、必ずパッチテストを行ってください。
高濃度での使用は避け、必ず希釈して用いてください。
妊娠中や乳幼児への使用は、専門家に相談のうえで慎重に行ってください。
風ら花おすすめ処方
アレルギー性皮膚炎用のブレンドオイル
カモマイル・ジャーマン精油:1滴
カモマイル・ローマン精油:1滴
ラベンダー・アングスティフォリア精油:1滴
ホホバ油:5ml
よく混ぜ、気になる部分に適量をやさしく塗布してください。
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今回のカモマイル・ジャーマン精油のように、アロマの世界は奥深く、知れば知るほど新しい発見があります。
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