アトラスシダー、ヒマラヤスギ、バージニアシダーの植物イメージ

シダー精油とは?種類と違いについて

「シダー」と呼ばれる精油には、主に3種類あります。
成分は似ていても、それぞれ異なる植物から採られており、香りやエネルギーにも個性があります。

本記事では、シダー精油3種類(アトラスシダー、ヒマラヤスギ、バージニアシダー)の特徴と違いについてご紹介します。

精油をより深く活用するために、植物そのものの背景を知ることはとても大切です。
同じ名前でも違う植物から抽出される精油があるため、違いを理解したうえで選んでいきましょう。


アトラスシダー(Cedrus atlantica)

アトラスシダーの枝と葉の様子

  • 植物分類:マツ科シダー属

  • 原産地:モロッコ・アトラス山脈

  • 抽出部位:木部

  • 主成分:セスキテルペン炭化水素類(ヒマカレン含む)

アトラスシダーは、霊的な力を象徴する植物として古くから大切にされてきました。
精油の香りは、一般的にはウッディーな香りと表現されることが多いですが、
私個人の印象では、しっかりとした甘さの中に、少し尖った苦味を含む独特な香りを感じます。
例えるなら、昔懐かしい「サクマドロップの赤い飴」のような、甘くクセのある香りです。

リンパや血液の流れを促し、気持ちを静かに整える作用が期待できます。
※妊娠中・授乳中・乳幼児への使用は避けましょう。


ヒマラヤスギ(Cedrus deodara)

ヒマラヤスギの松かさ(球果)と針葉の様子

  • 植物分類:マツ科シダー属

  • 原産地:インド・ヒマラヤ地域

  • 抽出部位:木部

  • 主成分:セスキテルペン炭化水素類(ヒマカレン含む)

「神の樹」とも呼ばれ、神聖な存在とされてきたヒマラヤスギ。
アトラスシダーと主成分が非常に似ているため、香りの印象も共通しています。
甘みの中に渋みを感じる香りですが、アトラスシダーよりもややドライでスパイシーなニュアンスがあります。

作用もアトラスシダーに近く、リンパや血流のめぐりをサポートし、静かな安定感をもたらしてくれます。


バージニアシダー(Juniperus virginiana)

バージニアシダーの枝と実の様子

  • 植物分類:ヒノキ科ジュニパー属

  • 原産地:北アメリカ

  • 抽出部位:木部

  • 主成分:セスキテルペン炭化水素類・セスキテルペンアルコール類

バージニアシダー(シダーウッド)は、マツ科のシダーたちとは異なり、ヒノキ科に属する植物です。
和名は「エンピツビャクシン」と呼ばれ、かつて鉛筆の材料としても使われてきました。

精油の香りは、どこか懐かしい鉛筆の香り。甘さは控えめで、乾いた木の静けさを感じる落ち着いた香りが特徴です。

体液循環を促し、心身をスッキリと整えるサポートをしてくれます。


まとめ

「シダー」と呼ばれる精油には、実際には異なる植物に由来する3つの種類があります。

 

種類学名特徴
アトラスシダーCedrus atlantica甘さの中に苦味、独特なクセ。しっかりした香り。
ヒマラヤスギCedrus deodara甘みと渋み、ややドライでスパイシー。
バージニアシダーJuniperus virginiana鉛筆を思わせる乾いた木の香り。落ち着きのある香り。

特に、アトラスシダーとヒマラヤスギはヒマカレンを多く含み、
リンパや血液の流れを促す作用が共通しています。

また、いずれも**抽出部位は「木部」**であり、心身に安定感と落ち着きをもたらすエネルギー的な作用を持っています。

香りの特徴やエネルギーの違いを感じながら、ご自身にぴったりのシダー精油を選び、活用してみてください。

シダー精油の違いを動画でもご紹介しています

この記事でご紹介したアトラスシダー、ヒマラヤスギ、バージニアシダーについて、
それぞれの植物や精油の違いを、短い動画にまとめています。
香りの印象や植物のイメージを、ぜひ動画でも体感してみてください🌿

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